あなたは「ザイオンス効果ってなんだ、よく聞くけど」と思って検索してくれた方だろう。
マーケティング心理学なんて普通は学んだりしないし、ザイオンス効果を検索しているあなたは、おそらくリテラシーが高い方なのだと思う。
本記事では、ザイオンス効果を解説するとともに、ザイオンス効果の活用についても解説していくため、じっくりと読み進めて欲しい。
ザイオンス効果(単純接触効果)とは
ザイオンス効果とは、アメリカの心理学者『ロバート・ザイオンス』が提唱した心理効果で、単純接触効果とも呼ばれる。
このザイオンス効果は、繰り返し相手と接触することで相手が自分に対して好感や評価が高まっていく心理効果のことを指す。
これは、人対人だけで起こるのではなく、人対モノでも起こる。
例えば、あなたが広告でよく見る商品があった時に、その商品をスーパー等の店頭で見つけた時に安心感を覚えたりしないだろうか。
よく見る商品で有名だから安全だと。
これは接触回数が多いことで、ザイオンス効果が働いて好感度が高まっている状態になっている。
こうした心理効果を営業やマーケティングで活用し、業績を伸ばしている企業はたくさんある。
とは言え、ザイオンス効果を利用する上で注意すべき点が2つほどあるので、それをまずは見ていこう。
ザイオンス効果(単純接触効果)を利用する際の2つの注意点
ザイオンス効果は、非常に多くの場面で働いており、プライベートだけでなく、仕事でも多くの活用を考えることができる。
ザイオンス効果を活用するためにも、これからお話しする2つの注意点は押さえておこう。
1.接触回数10回目以降は意味がない
ザイオンス効果を知ると、接触回数を増やせば増やすほど好感度が高まると考えがちだが、実はそうはいかない。
上記の図は、接触回数と好感度を示すグラフだが、10回目以降の好感度は横ばいとなり、全く変わらないことが分かる。
つまり、ザイオンス効果がいくら働くと言っても、10回まででそれ以降はいくら接触回数を増やしても爆発的に好感度が上がることはないだろう。
2.悪い印象で接触回数を増やすと逆効果
ザイオンス効果の誤解として良くあるのが、会っていれば好感度が高まるという点。
実は、悪い印象のまま接触回数を増やすと好感度は下がっていくため、逆効果になってしまう。
考えれば当たり前に思うかもしれないが、ザイオンス効果を覚えたての頃にはやってしまいがちなミスなので、注意が必要だ。
ザイオンス効果(単純接触効果)が働くケース4選
実は至るところにザイオンス効果が働いているわけだが、どんなところで働いているのだろうか。
この章では、4つのケースに分けてザイオンス効果がどのように働いているのかを解説していく。
1.SNSの投稿
ザイオンス効果が働きやすい媒体として、SNSがある。
あなたはそもそもSNSで今まで知らなかったアカウントをフォローするのだろうか。
その理由は、何度も投稿を見かけて、好感度が高まり、結果的に今後も投稿を追いかけたいと考えてフォローするのではないだろうか。
最初は、何気なく様々な投稿を見ていた中の1つの投稿を見て、「いいね」を押しただけだったかもしれない。
しかし、SNSというのは「いいね」を押すと「いいね」を押したアカウントの投稿が表示されやすくなるため、頻繁に投稿を見るようになる。
そうして頻繁に投稿を見るようになった中で、好感度が高まってフォローするに至ったと考えられる。
2.Webメディアの記事
Webメディアの記事は、アクセスのほとんどがGoogleやYahoo検索からになるため、ザイオンス効果は働かないのではないかと考えられがちだが、実はそんなこともない。
あなたはこんな経験がないだろうか。
ある調べ物をしていて、Aというサイトに辿り着き、すごく勉強になったとする。
そして、またある別調べ物をしていて、Aというサイトに辿り着いた時に、「このサイト知ってる」と嬉しくなるはずだ。
ましてや、有益な情報ばかりが掲載されているWebメディアであれば、ブックマーク等をしておいて、いつでもアクセスできるようにするはずだ。
Webメディアの記事は、自分自身で調べ物をしていて、情報を知りたいと思っているため、少ない回数で好感度が高まりやすいのが特徴だ。
こうした少ない回数でも、好感度が高まるところもザイオンス効果が大きく働いているからだと言える。
3.メールマガジン
あなたは、メールマガジンをよく見る人だろうか。
おそらくほとんどの人は、メールマガジンを見ていない方だと思うが、企業に勤めていると仕事に関わるメールマガジンはよく読む方が多いだろう。
ビジネス上、まだまだメールマガジンはよく読まれる媒体で、ザイオンス効果を活用しやすい。
よく使われているのは、人の名前でメールマガジンが発行され、あたかも『◯◯さん』からメールが届いているような見せ方がよく使われている。
例えば、株式会社ABCの『タテイシ』という人物からメールが何度も届き、有益な情報提供があった時に、タテイシさんのメールマガジンに好感を持っている状態だ。
その状態で、さらなる情報を提供したり、有益な商品の紹介を行うと購入してくれるわけだ。
これは営業でもよく使われるが、接触回数をメールで増やし、販売に繋げるという最もオーソドックスな手法として使われ続けている。
4.リターゲティング広告
リターゲティング広告は、過去に自社サイトに訪問したユーザーをWeb広告で追いかける手法だ。
Amazonなどでチェックした商品が、違うサイトやアプリに訪問した時に広告として表示されるのを見たことはないか。
それがリターゲティング広告で、あなたが興味のある商品をリターゲティング広告で表示しているというわけだ。
このように、もともと好感度が高かった商品を何度も見せられると、ザイオンス効果が働き、好感度がうなぎ上りとなるわけだ。
5.テレビCM
最後にザイオンス効果の定番である『テレビCM』だ。
テレビCMは、多くの資金が必要で大企業だと年間数百億円もの費用をかけている企業もある。
参照元:ADVA
上記は、1年間でテレビCMにかけた費用に関するデータだ。
例えば、13位のコカコーラに関しては、コーラが主力商品となっているわけだが、1本150円くらいでテレビCMに35億円ほどかけていることを考えると「元は取れるのか」と疑問になる方もいるだろう。
しかし、これはザイオンス効果を考え、繰り返し認知を広げることでかけた広告費以上に売り上げが上がってくれることを知っているからだ。
【実体験】ザイオンス効果(単純接触効果)の具体的な活用事例
さて、この章ではザイオンス効果を活用した具体的な事例について解説していきたい。
今回のザイオンス効果の活用は、Youtube×Twitter×LINE@の組み合わせだ。
弊社は、上位10%のWebマーケターを育成する、月額制Webマーケティングスクール『Withマーケ』の運営を行っているため、上記の掛け算で初期の集客を行っていた。
Youtubeでは、Webマーケティングというニッチな分野のチャンネル運営を行っている。
また、弊社代表のTwitterでも1日に3回ほどWebマーケティングや仕事に関するツイートを行っている。
こうしてYoutubeとTwitter上で、多くのユーザーに対してリーチしている状況が作り出せているため、繰り返し投稿や動画を見てもらうことでザイオンス効果が働いているというわけだ。
しかし、繰り返し動画や投稿を見てもらうだけでは『Withマーケ』の認知に繋がらない。
そこで利用したのが『LINE@』の運用だ。
Youtube動画やTwitterの投稿を見ていて、好感度の高いユーザーに対してより濃い情報やノウハウを提供するLINE@へ誘導することで、ユーザーへ直接連絡が取れる手段を確保した。
LINE@では、濃い情報発信をしつつ、ザイオンス効果で好感度を高めつつ、『Withマーケ』について知ってもらう配信も行うことで、Withマーケに入学する方を増やしていったというわけだ。
まとめ
以上、ザイオンス効果について簡潔に、意味から活用までを解説してきた。
実際には、ビジネス上で使われることが多いが、恋愛などプライベートで使われることも多くある。
もう改めて解説しなくても、どのようにザイオンス効果が恋愛で働くかは分かるはずだ。
この機会に身の回りにザイオンス効果が働いているものがあったら、どのように働いているか考察して見て欲しい。
そうした考察が自然にザイオンス効果を活用できる頭を鍛えてくれることだろう。
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