「シャルパンティエ効果ってなんだろう」と検索している方へ。
ただ意味を解説する内容だけではなく、注意点や活用事例も伝えて実践で使えるようにしたいと執筆したのが本記事だ。
意味だけ知りたい方には向かないので、そのつもりで読んでみて欲しい。
早速だが、シャルパンティエ効果とは一体何なのか解説していこう。
シャルパンティエ効果とは
シャルパンティエ効果とは、大きさ・重さの錯覚とも呼ばれ、身近なイメージを使って例えられると心理的錯覚を起こす効果のことを指す。
例えば、2gを2000mgと記載するのもシャルパンティエ効果の一種で、2000mgと聞くと重く感じるはずだ。
さらにもう一つ言えば、1kgの石と1kgの綿があったとしても、石の方が重く感じてしまう錯覚はシャルパンティエ効果の代表的な例だ。
実は、世の中にはこのような錯覚を覚えてしまうものがたくさん存在しており、マーケティングにもよく応用されているものだ。
では、いきなり活用事例を解説する前に、2つほどある注意点を見ていくことにしよう。
シャルパンティエ効果を利用する際の2つの注意点
1. 一般的にイメージされないもので例えないこと
先ほど1kgの石と1kgの綿で重さの感じ方が違うという例を出したが、これは『石=重い』『綿=軽い』ということが一般的にイメージできるものだからだ。
例えば、ここで1kgのパソコンと1kgの石だと、あまり錯覚は起こらないはずだ。
なぜなら、『パソコン=軽い』というイメージではないため、心理的な錯覚を起こしづらいわけだ。
2. 曖昧な尺度で評価されるもので例えないこと
先ほどは、重さのように誰でも明確に理解できる尺度を使ったが、『楽しさ』のような曖昧な尺度で評価されるものにはそもそも使えない。
なぜなら、10人に聞けば10人とも違う答えが返ってくる可能性があるからだ。
こうした曖昧な尺度で評価されるものをいくら例えても伝わりづらいため、シャルパンティエ効果を狙ったアイデアを出しても結果的には効果が薄いものになってしまうだろう。
シャルパンティエ効果の具体的な活用事例6選
では、ここから本題に入っていきたいと思います。
活用事例は全部で6つあり、シャルパンティエ効果が違った形で活用されているので、これから心理効果を扱うのに参考に実行できるように解説してきます。
1. 割引率のシャルパンティエ効果
まず1つ目に、買い物をする時に日常的に潜んでいるシャルパンティエ効果の活用事例をご紹介していく。
割引率で使われるシャルパンティエ効果は、2段階で割引されるパターンの割引だ。
あなたは服を買う際などに見たことはないだろうか。
30%OFFの商品がレジにてさらに10%OFFというような割引を。
これを見ると40%OFFだと考えてしまうが、実際に計算を行う際は以下の計算式になる。
となり、分かりやすいように元の料金が100円だったとすると、
上記の通り、40%OFFなら60円になるところが実際は、37%OFFの63円という計算になる。
このように多くの割引率を受けているように錯覚してしまう心理効果が働いている。
2. 成分量のシャルパンティエ効果
化粧品や飲み物など様々なシーンで利用されているシャルパンティエ効果が、成分量に働く心理効果だ。
例えば、ビタミンC 1000mg配合という表記やレモン100個分のビタミンCという風な表記を見たことはないだろうか。
これは全てシャルパンティエ効果を利用したもので、特にレモン100個分というのはイメージしやすく、上手く心理効果を利用した訴求となっている。
『ビタミンC=すっぱい』というイメージがあるため、レモンにビタミンCが豊富に含まれているという錯覚を起こしているが、レモンよりもビタミンCを多く含む果物や野菜はたくさんある。
例えば、ケールやパセリ、赤ピーマンなどイメージにはないものがたくさんある。
しかし、イメージ上はレモン◯個分という言い方をした方が『ビタミンCが豊富に含まれている』ということをアピールしやすいため、あえて使っている事例となっている。
3. 金額のシャルパンティエ効果
先ほど、割引率のシャルパンティエ効果の解説をしたが、実は金額そのものでもシャルパンティエ効果が使われている。
よく月額制のサブスクリプションを採用しているサービスで使われているのが、以下のような活用だ。
- 年会費は12,000円
- 1ヶ月では1000円
- 1日たったの3円
上記のように料金を様々な伝え方をすることで、お得に見せていく心理効果だ。
正直、1日たった3円なんて結局払うお金は変わらないのだが、感じ方は全然違うわけだ。
ただ、注意点としては、繰り返し利用するものに、日割り計算の『1日たった◯◯円』が使えるわけだが、アクセサリーなどのモノに関しては活用できないものもあることを覚えておこう。
4. 変化量のシャルパンティエ効果
次は、変化量を見せるシャルパンティエ効果だ。
これだけだと意味が分からないと思うので、以下の事例を早速お見せしていこう。
『従来の1.5倍』『ビフォーアフター』など、変化量を見せると、実際の変化量よりも変化したと思わせる心理効果が働くようになっている。
例えば、従来の1.5倍というのは、従来を知らなければ、変化量は分からないはずですが、なぜか大幅に変化したと錯覚してしまうはずだ。
例えば、飲み物のパッケージに『ビタミンCが従来の1.5倍』と書いてあったら、従来の量が1mgと非常に少ない量だったとしても、多く感じたはずだ。
5. サイズのシャルパンティエ効果
サイズを強調するシャルパンティエ効果は、東京ドーム3個分といった比喩表現を行うことが多い。
前提条件にはなるが、サイズが大きいことが訴求に繋がらないと意味がないため、その点は注意して欲しい。
というのも、サイズを強調することが訴求に繋がることが少ないため、扱いが難しいことも頭に入れておくべきだからだ。
ぜひ他の訴求も検討しながら、サイズのシャルパンティエ効果を検討して欲しい。
6. 重さのシャルパンティエ効果
最後には、重さのシャルパンティエ効果だ。
重さを表現する方法は、g(グラム)をmg(ミリグラム)にするだけではない。
どのくらいの重さかを表現するのに、◯◯のようにという比喩表現を使うことで、いかに軽いか、いかに重いかというアピールができる。
例えば、『羽のように軽い』という表現ではどうだろうか。
羽は空気ほど軽いイメージが一般的なはずなので、軽いことをアピールするのにはうってつけと言えるだろう。
シャルパンティエ効果と他の心理効果を掛け合わせる方法3パターン
ここまで活用事例をお見せしてきたので、続いてシャルパンティエ効果と他の心理効果の掛け合わせを解説していきます。
心理効果の掛け算することで増大する心理効果について解説を詳しく行ってきます。
1. バンドワゴン効果×シャルパンティエ効果
まず、バンドワゴン効果×シャルパンティエ効果の掛け算について解説していく。
多くの人が支持している物事に、さらに多くの支持が集まるという心理効果。
引用:バンドワゴン効果とは
では、バンドワゴン効果を掛け算するとどうなるのか見ていこう。
バンドワゴン効果を生かしつつ、シャルパンティエ効果を考えると「これまで◯◯万kg売れました!」という風に、販売量(個数)ではなく、重さでたくさん売れていることをアピールするなどが効果的だ。
売れている量を重さなどの別の指標でアピールすることが、この掛け算で求められるため、確実に覚えておこう。
2. スノッブ効果×シャルパンティエ効果
次は、スノッブ効果×シャルパンティエ効果の掛け算について解説していく。
ある対象に希少性がある場合、それを失うたくないという欲求から、その価値を高く見積もってしまう心理効果のこと。
逆を言えば、多くの人が利用するものに対して、利用するモチベーションが下がる心理効果でもある。
引用:スノッブ効果とは
では活用する際には以下のようになる。
実際には、追加販売しているため、期間限定の販売となっていないのだが、限定性を守ったスノッブ効果が発揮されている。
また、2段階で限定販売していることで、シャルパンティエ効果が働き、限定販売ではないにも関わらず限定感を演出している。
今回のパターンは非常に応用的な使い方となったが、基本的な活用方法をベースに少し変形させるだけで応用的な使い方もすぐに可能となるはずだ。
3. ウィンザー効果×シャルパンティエ効果
最後は、ウィンザー効果×シャルパンティエ効果の掛け算について解説していく。
直接伝える情報よりも第三者から伝わる情報の方が信頼性が増すという心理効果。
引用:ウィンザー効果とは
口コミから商品を知ってもらうと、ウィンザー効果が働いて、信頼性が増した状態で商品について認知することになる。
口コミを広げてもらう時に、シャルパンティエ効果が働くコピーを広めてもらうと良いだろう。
その際には、先ほど解説した6つの活用事例を参考にしながらコピーをシャルパンティエ効果に則って作成していくことが重要だ。
型を学ぶことで、オリジナルが生まれるため、最初は必ず参考にして真似てみるところから始めてみて欲しい。
まとめ
以上、シャルパンティエ効果について、注意点、活用事例、他の心理効果の掛け算という3本立てで解説してきた。
注意点に気を付けながらも活用事例を参考に、シャルパンティエ効果を実践してみて欲しい。
もし余裕があれば、他の心理効果の掛け算にも挑戦し、より効果の高い心理効果にレベルアップさせられるようにやってみるといいだろう。
シャルパンティエ効果は、うまく使えば強力な心理効果だが、これからお話しする注意点を守らないと、効果が全くなくなってしまったり、逆に怪しまれる危険性を秘めています。
あくまでも用法を守って利用することで効果を発揮するものだと覚えておきましょう。