決定回避の法則とは | 活用事例や他の心理効果・理論との掛け合わせる方法

 

「決定回避の法則ってどんな心理効果なんだろう」と調べているあなたは、意味を調べるだけでは物足りないだろう。

本記事は、決定回避の法則がどんなものか解説するとともに、心理効果が発揮される条件や注意点、活用事例などを1記事にまとめたものだ。

これから、記事を読んですぐに決定回避の法則を活用できるように記事を構成したので、ぜひ読了後は活用してみて欲しい。

 

決定回避の法則(ジャムの法則)とは

決定回避の法則とは、選択肢が多すぎると選ぶ意欲がなくなり、後回しにしてしまいたくなる心理効果のことだ。

選択肢が多いと、選ぶだけで多くの労力を必要とするため、人間は面倒に感じてしまい後回しにしたくなるというわけだ。

実際に検証した実験として、ジャムの実験が引き合いに出されることが多い。

24種類のジャムと6種類のジャムを分けて販売したところ、6種類のジャムの方が10倍も購買確率が高かったというデータがある。

これは明らかに、24種類のジャムを購入するか検討する労力が重く、購入の妨げになっている結果だと言える。

 

決定回避の法則を働かせない条件

商品の販売者としては、購入の妨げになることは避けたい。

そのためには、決定回避の法則にしたがって、商品の選択肢を広げないことが大切だ。

お店の商品数を少なくしろというわけではなく、ジャンルごとの選択肢を少なくするだけで十分に効果がある。

例えば、先ほどのジャムの話でもあったが、ジャムなら6つまでいう風に商品の種類は限定すべきだ。

ただ、より多くの種類を販売したいと考えている場合には、ジャムの中でもカテゴリーを作り、ユーザーが選びやすい工夫がどうしても必要だ。

例えば、『食パンに合うジャム』『クラッカーに合うジャム』という形で勝手にジャンルを作って分類することで利用シーンに応じてユーザーが購入しやすい状況を作ることができる。

 

決定回避の法則の具体的な活用事例3選

タテイシリョウ

決定回避の法則について、理解が進んできたところで活用事例について解説していきます。

実際に活用されている事例を見ることで、ただ選択肢を減らすだけではない活用パターンを頭に入れることができるので、ぜひサクッと確認していきましょう。

1. 商品をレコメンドする

そもそも決定回避の法則の本質とは何か、それから解説していきたい。

決定回避の法則の本質とは、選択肢が多いことによって決断に労力がかかることだ。

では、労力が一番かからない選択肢は、おすすめ(レコメンド)された商品だ。

さらに、ユーザーが興味のあるジャンルの商品をおすすめできれば、さらに効果は絶大だ。

レコメンドを上手く利用しているサービスとしては、Amazonがある。

Amazonでは、様々な商品が販売されているが、購入履歴から興味のある商品をレコメンドするようになっている。

また、見ている商品Aのページでは、商品Aと合わせてよく購入されている商品のレコメンドも行っている。

様々な形で決定回避の法則が使われており、選びやすい選択肢を提供している。

 

2. 商品のカテゴリーを細かく分類する

そもそも商品が選びにくいのはなぜだろうか。

その理由は、細かく商品がカテゴリーで分類されていないからだ。

スーパーに行った時、なぜ迷わずに物が買えるのかというと、カテゴリーごとに商品が陳列されているからだ。

商品をカテゴリーごとに分類することで、選びやすくなるわけだ。

「いや、決定回避の法則と関係がないのではないか」

そう思った方もいるかもしれない。

では改めて解説したいのだが、カテゴリー分けするのは、選択肢を絞るために必要だ。

つまり、ユーザーが選ぶ際に利用しやすいカテゴリー分けを行うことで、カテゴリーごとの選択肢に限定されるわけだ。

例えば、時計なら『ランニングする時に使うする腕時計』という形でカテゴリーを限定してあげれば、腕時計の中でもかなり絞られるはずだろう。

 

3. 選び方を教育する(診断する)

最後に、選び方を教育することで決定回避の法則を活用する事例について解説しておく。

そもそも選ぶのが面倒になるのは、選び方を知らないからだ。

であれば、選び方を教育してあげることで考える労力を極力抑えることができる。

その選び方の教育として、『◯◯診断』といった診断形式のアプリケーションを作ることでユーザーは、その『◯◯診断』を経由して、どの商品が自分に合っているかを知ることができる。

合っている商品を診断した後に、商品をおすすめできれば、決定回避の法則を活用して決断しやすくできるというわけだ。

今回は、『◯◯診断』という形で解説したが、工夫次第で様々な教育を行うことができるため、商品に合わせて何が必要か考えてみてほしい。

 

決定回避の法則と他の心理効果や理論を掛け合わせる方法

タテイシリョウ

では最後に、決定回避の法則と他の心理効果を掛け合わせて、効力を増大させるための方法について解説していきたいと思います。

中には初めて聞く心理学用語もあると思うので、補足を入れながら解説していきますね。

マジカルナンバー理論×決定回避の法則

まず1つ目は、『マジカルナンバー理論×決定回避の法則』という組み合わせだ。

マジカルナンバー理論

マジカルナンバーとは、人間の記憶容量のことで、物事をいくつまで覚えられるのかを表したもの。

世の中に出ている科学的根拠のあるマジカルナンバーは、7±2もしくは4±1だと言われており、一番最新の論文では4±1が有力とされている。

引用:CiNii 論文

つまり、マジカルナンバー理論は、4±1までの物事しか一度に覚えられないとされており、決断力を保てる限界とも言われている。

そこで決定回避の法則と掛け算し、選択肢を4±1で設定することで選びやすくできるわけだ。

世の中の選択肢が3~4択が多いのは、このマジカルナンバー理論を活用した仕掛けとなっている。

 

バンドワゴン効果×決定回避の法則

次に、バンドワゴン効果×決定回避の法則の掛け算について解説していく。

バンドワゴン効果

多くの人が支持している物事に、さらに多くの支持が集まるという心理効果。

引用:バンドワゴン効果とは

決定回避の法則の基本としては、選択肢を減らすことにある。

さらにバンドワゴン効果を活用するには、厳選した選択肢のどれかに【1番人気】などのラベルを表示することだ。

そうすることで、選択肢が少ない中で、バンドワゴン効果が働き、人気の高いものを選んでしまうという心理効果が働くというわけだ。

 

松竹梅の法則×決定回避の法則

次に、松竹梅の法則×決定回避の法則の掛け算について解説していく。

松竹梅の法則

商品(サービス)を3段階に分けると、多くのユーザーが真ん中の商品(サービス)を選んでしまうという心理効果のこと。

松竹梅の法則の鉄則としては、選ばれやすい真ん中を最も利益率の良いものにしておくことで結果的に利益を最大化するというものだ。

決定回避の法則を働かせるため、選択肢は3つに絞り、真ん中に利益率の高いものを配置して心理効果の掛け算を狙うと良いだろう。

 

ウィンザー効果×決定回避の法則

次に、ウィンザー効果×決定回避の法則の掛け算について解説していく。

ウィンザー効果

『直接伝える情報よりも第三者から伝わる情報の方が信頼性が増す』という心理効果。

引用:ウィンザー効果とは

商品やサービスに対する口コミを促し、その人の属性に合った商品を1~3個に絞っておすすめしてもらうことで選びやすく、購入しやすい状況を作り出すことができる。

多くの人が支持している商品に偏りがある場合には、

その支持されている商品をさらに口コミさせることで決定回避の法則とウィンザー効果が大きく働き、より購入してもらえる率が高いと言えるだろう。

 

現状維持の法則×決定回避の法則

最後に、現状維持の法則×決定回避の法則の掛け算について解説して締めていく。

現状維持の法則

人は特別な理由がない限り、現状を維持して過去と同じ選択をしやすいという法則。

現状維持の法則は、様々な物事に対して働いている。

ブランドやメーカー、色、形など様々な要素に働いていると言えるだろう。

例えば、飲食店でも同じメニューばかりを食べている人は一定数いて、現状維持の法則が働くことでリピート率を高めている結果となっている。

この現状維持の法則と決定回避の法則を掛け算することで、

過去に利用したものを選ぶ傾向が強く、商品を選ぶ労力を極力抑えたいという考えから、過去に購入したものを再度レコメンドすることで、商品のリピート率を高めることができる。

これが、現状維持の法則×決定回避の法則を掛け算したために得られた結果だと言える。

 

まとめ

本記事を改めて見ていくと分かるように、人間は頭で考えるのが面倒な、決定回避をしたい生き物なんだということが分かる。

その心理を知っておきながら、購入を促すことができる逆転の発想で購入に結びつけることができる事実も本記事では良く分かったことだろう。

これからあなたが、決定回避の法則を利用する機会が来るたびに、本記事を辞書代わりに覗いてくれることを期待している。

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