「ディドロ効果はどのように活用するのか」と悩んでいる方へ。
ディドロ効果を活用して、プライベートやビジネスを上手く軌道に乗せたいと考えている方は、そもそもディドロ効果がなんなのか理解しているだろうか。
本記事では、ディドロ効果の意味をただ理解するだけではなく、どのように考え、活用していくのかを全て詳細に解説していく。
前置きはこのくらいにして早速、ディドロ効果とはなんなのかを見ていこう。
ディドロ効果とは
ディドロ効果とは、自分が気に入った商品を購入すると、その商品に合わせた雰囲気の物で統一したくなるという心理効果のことを指す。
例えば、1つ気に入った洋服を購入すると、その洋服に合ったアクセサリーを購入したくなる心理がディドロ効果によるものだ。
私の場合は、むしろ時計などを購入した時に、「この時計に合う洋服を購入したい」と思うことが多く、これもディドロ効果によるもので、関連商品をついチェックしてしまうわけだ。
ディドロ効果が働く2つの条件
1. 一貫性のある関連商品があること
ディドロ効果が働くと、お気に入りの商品の雰囲気に合う関連商品の購入を検討したくなる。
その場合、関連商品の用意がないと追加の購買が生まれない。
一貫性のある関連商品をユーザーの目の付きやすいところに置くことで、ようやくディドロ効果を発揮することができる。
2. 理想的な価値観を与えること
お気に入りの商品の世界観をより再現できるようなイメージがユーザーの中にないとディドロ効果は働かない。
洋服の場合には、お気に入りの商品も含めたコーディネート例をいくつか用意して、ユーザーが見ることができる状態にしておくことが重要だ。
コーディネート例を用意することで、ユーザーにとって理想的な価値観を与えることができ、コーディネート例を真似して追加で商品の購入を検討する可能性が出てくる。
ディドロ効果を利用する際の2つの注意点
ディドロ効果は非常に強い心理効果として様々なシーンで活用できますが、これからお話しする2つの注意点があります。
この注意点を把握しておかないと、ディドロ効果が効率良く働かない結果となってしまうので注意しましょう。
1. 洗練されすぎる理想は購入のハードルを上げること
先ほど、理想的な価値観を与えるために、洋服であれば『コーディネート例を見せる』といった例題を解説した。
しかし、お店によってユーザーの属性は大きく異なり、高級思考のユーザー、コスパ思考のユーザーと大きくニーズが異なる。
仮に、コスパ思考のユーザーに対して、明らかに高級思考寄りのコーディネート例を見せても購入のハードルが非常に高くなってしまう。
そもそも、コスパ思考のユーザーの理想と高級思考のユーザーの理想は大きく違うため、ユーザーに合わせた理想のイメージを見せるような工夫は必要だ。
2. 魅力度が薄いイメージは購入に意欲を下げること
先ほどの例にも出した、コスパ思考のユーザーに対して理想的なコーディネートを考える時に魅力度の薄いイメージを用意してしまうことがある。
なぜなら、全体のコーディネートの料金設定をできるだけ安くすることが、ユーザーの1番の価値だと考えてしまうからだ。
しかし、コスパ思考なのは安ければ良いということではない。
現実的な範囲内で理想的なオシャレは存在するからだ。
しかし、ほとんどのユーザーは、自分自身のおしゃれの最適解を理解できていないし、イメージもできていない。
だからこそ、自身のアパレルショップに来訪するお客様の身に付けている物や洋服、雰囲気などを記録し、「理想的なおしゃれはこうだ」と提案しなければならない。
その提案がコーディネート例であり、来訪ユーザーに合わせたコスパを意識しつつも、その人のおしゃれを追求できるものにすべきだ。
ディドロ効果の具体的な活用事例3選
以上、ディドロ効果の概要や条件、活用する際の注意点ついて解説してきました。
ここからは、実際にディドロ効果がどのように活用されているのか3つの事例をもとに解説していきます。
1. ショールームで作用するディドロ効果
インテリア関連のものは、ディドロ効果がより働きやすく、追加の購買が生まれやすい。
中でもショールームは、理想的な暮らしを簡単にイメージできるように部屋が完成された状態でいくつも見学することができる。
今までにない暮らしをイメージでき、現状持ち合わせているお気に入りの家具などを置くとどうなるかなど具体的に想像することができる。
よくIKEAなどに行くと、インテリア関連商品がいくつも置いてあるフロアに簡単なショールームも配置してあり、部屋をイメージしながら手頃なインテリア商品を購入してしまう効果がある。
まさに、ディドロ効果を利用して購買を促す典型的なパターンなので頭に入れておこう。
2. 収集欲求が起こるディドロ効果
ディアゴスティーニの模型はディドロ効果が働いている一例だと言える。
例えば、『日本の名城を作る』というシリーズでは、1/150の大きさの城の模型を組み立てるキットが送られてくる。
参照元:ディアゴスティーニ
上記の模型を組み立てると、関連商品である他の城も欲しくなるはずだ。
城がいくつも並ぶ姿を想像しただけで欲しくなるという方もいるに違いない。
3. ブランドで作用するディドロ効果
高級車として有名なベンツは、ブランドで作用するディドロ効果を上手く利用した商品販売を行っている。
ベンツの車を購入すると、関連商品としてキーケースなどの車に関連した商品を隙なく販売してくる。
想像してみれば、ベンツに乗っている方のキーケースがベンツのキーケースだったら、統一感があっておしゃれだと感じる方も多いことだろう。
このようにブランドに統一して購入を決める商品は多く、高級な洋風のブランドでも同じような販売が行われている。
例えば、エルメスでは、洋服と一緒に時計などのアクセサリーの販売も積極的に行っている。
このようにブランドで一貫性を保ちたいという心理効果が働いてしまうのも、ディドロ効果の特徴だと言えるため覚えておこう。
ディドロ効果と他の心理効果を掛け合わせる方法3パターン
ここまでディドロ効果の活用方法と活用事例について解説してきました。
しかし、「もっと心理効果を利用して効果を増大させたい」という方もいると思いますので、他の心理効果との掛け算を行った3つのパターンを解説していきます。
ツァイガルニク効果×ディドロ効果
達成できたことよりも、達成できなかったことや中断していることのほうをよく覚えている心理現象のこと。
参照元:ツァイガルニク効果とは
これは先ほど活用事例でも出てきたディアゴスティーニの例がツァイガルニク効果とディドロ効果を掛け合わせたものだ。
ツァイガルニク効果を発揮させる例題として、定期配送の模型を契約した際に働かせることができる。
月1で配送されてくる模型のパーツ(一部)と模型(歴史などのコンテンツ)に関する資料が送られてくるサービスだ。
1度に全てパーツが揃うわけではないので、より興味を持ってしまうような心理効果、ツァイガルニク効果が働いてしまうわけだ。
定期配送を待っている間に関連商品を見る機会がいくつもあり、そうしている間に関連商品も収集したいと考えてしまうディドロ効果がどうしても働いてしまうわけだ。
ヴェブレン効果×ディドロ効果
別名、顕示効果とも言い、見せびらかしたい心理を利用した消費のことを指す。
高級品を買う行為もヴェブレン効果が働いていると言える。
例えば、ヴェブレン効果が働き、ある高級品を購入することになるとする。
すると、「もっと見せびらかしたい」「こんなものまで購入できるほど財力があることを示したい」という心理になり、
ディドロ効果が同時に働くことで、同一高級ブランドの商品の購入を検討してしまうというわけだ。
スノッブ効果×ディドロ効果
ある対象に希少性がある場合、それを失うたくないという欲求から、その価値を高く見積もってしまう心理効果のこと。
参照元:スノッブ効果とは
例えば、パズドラなどのキャラクターの収集癖をくすぐるようなゲームアプリケーションでは、レアキャラを出すために多くの課金をするユーザーが存在する。
例えば、『3種類のレアキャラが期間限定ガチャで登場する』というお知らせが流れると、3種類全てを集めるために課金して集めようする心理効果が働く。
これが、スノッブ効果とディドロ効果の掛け合わせで働くため、ものすごく大きな力となるわけだ。
まとめ
以上、ディドロ効果について、概要から活用条件、注意点、活用事例、他の心理効果との掛け合わせという形で網羅的に解説してきた。
ディドロ効果は、日常的に働いているケースが多く、今後何か商品を購入する時に、「ディドロ効果が今働いているな」と実感する瞬間があるはずだ。
個人レベルでの活用機会は少ないかもしれないが、アイデア次第で様々なビジネスシーンで活用が検討できるため、日常的に考える癖を付けてみると面白いだろう。
ディドロ効果とはなんなのか、概要の説明をしたところで、そもそもディドロ効果が働く2つの条件を知らないと活用できないかと思います。
ここからは、ディドロ効果が働く2つの条件と題して、要点を解説していきますね。