スノッブ効果とは、どんな心理効果なのか、具体的に知りたい方は本記事を要チェックだ。
今回は、スノッブ効果について、詳細な内容や活用する際の注意点、活用方法について解説していく。
前置きはこのぐらいに、解説を始めていきたい。
スノッブ効果とは
スノッブ効果とは、ある対象に希少性がある場合、それを失うたくないという欲求から、その価値を高く見積もってしまう心理効果のことだ。
また、他人とは差別化したいという心理が働き、個性的でありたいという心理効果がスノッブ効果だと言える。
例えば、多くの人がAというブランドの服を持っていると、あなたは誰も持っていないBというブランドの服を好んで購入することがある。
これはスノッブ効果が働き、誰も持っていないものを所有して個性的でありたいという心理が働いているわけだ。
スノッブ効果には多くのビジネスシーンで活用されているが、活用する前に知っておいて欲しい注意点が2つあるので、解説しておこう。
スノッブ効果を利用する際の2つの注意点
1.景表法違反の事例がある
まずスノッブ効果の注意点1つ目は、景表法違反の事例がある点だ。
スノッブ効果がよく使われる例として、『期間限定』という表記がある。
例えば、『1日20食限定』という限定訴求を使ったとして、1日20食以上販売してしまった場合、嘘の表記をしてしまったことになる。
これは景表法違反という犯罪で、最悪の場合は、業務停止命令を言い渡されることがある。
2.売り上げに上限ができてしまう
先ほど例として挙げた『1日20食限定』という限定訴求は、スノッブ効果が活用されるあるあるな例だ。
確かにスノッブ効果が働いて、売れるとは思うが、結果的に20食までしか販売することができないため、売り上げに上限ができてしまうわけだ。
スノッブ効果を活用するなら、高額な商品を販売するか、◯◯食限定のような商品とは別に追加で販売できる商品の用意が必要だ。
スノッブ効果が働く2つの条件
1.時間・場所を制限する
時間を制限する場合は、『◯◯時間限定』や『期間限定』といったものが多い。
あえて時間を制限することで、「今買わないと手に入らない」と思わせることでスノッブ効果が大いに発揮される。
また、場所を制限する場合には、『名産品』や『○○県限定』など場所を限定して価値を高めるものがある。
場所を限定することでスノッブ効果が発揮されるのは、お土産など地域にあることで価値がつく場合に限定される。
それ以外では、場所を限定してスノッブ効果が大きく発揮されることは少ないと覚えておこう。
2.数・ステータスを限定する
数を制限するというのは、よくある『数量限定』というものだ。
100個限定、国内で10個しかないなどの数を限定することで希少性を高める工夫だ。
これは、スノッブ効果を働かせる上で非常によくあるテクニックだと言えるだろう。
また、ステータスを限定する場合というのもある。
よく会員制レストランなどが流行っている場合があるが、あれは限定されたステータスを用意されているからだ。
誰もが望めば会員になれるというわけではなく、特定のステータスがあると認められた方のみ会員になれるというのがステータスを限定するスノッブ効果だ。
では、それぞれのスノッブ効果が発動する条件を活用したサービスや商品にはどのようなものがあるのか活用事例を見ていこう。
スノッブ効果の具体的な活用事例4選
それでは、実際にスノッブ効果が利用されている活用事例を見ていきたいと思います。
「こんなところで使われていたのか!」と知ることで活用しやすくなるはずです。
1.時間を制限するスノッブ効果
世の中には様々なキャンペーンが繰り広げられているが、その全てには期間を限定する記載がある。
参照元:アサヒビール
キャンペーンというからには期間を限定しないといけないわけだが、期間を限定することで「急がなきゃ」と思うような心理状態にさせることができる。
期間が限定されてなければ、「また今度でいいや」と後回しにされる恐れがあるため、期間限定にすることで申し込みを今すぐ促すことができるわけだ。
2.場所を制限するスノッブ効果
お土産などの場所を制限する以外にも場所を制限してスノッブ効果を発揮させる方法がある。
以下の例を見ていこう。
参照元:無限列車編公式サイト
上記のサイトは、鬼滅の刃の映画を見た方限定で配布される入場者特典配布のためのページだ。
入場者限定という特典だからこそ、希少性が高い特典になり、結果的に欲しいと感じるユーザーが多いわけだ。
このようにスノッブ効果を活用することで、特典欲しさに映画を見る方も増え、特典を配布することでよりファン化が進むというわけだ。
3.数を制限するスノッブ効果
数が制限されることでスノッブ効果は大幅に高まる。
その多くは高級品で数を限定させても売り上げは大きいものに活用される。
また、売り上げ以外にも話題性が高ければ、ブランドの認知に大きく寄与してくれるため、売り上げが上がらなくても広告になってくれるというわけだ。
そうした目的で生産される商品として代表的なのは、車だ。
参照元:LEXUS
上記は、LEXUSのLFAという限定車で世界に500台しか生産されていない。
つまり、買うだけで他人となかなかかぶらない車を所有できるわけだ。
こういう風に数を限定するとそれだけ希少性が高まり、需要が高まり、限定車を欲しい(もしくは羨ましい)と感じるユーザーは増えるはずだ。
4.ステータスで制限するスノッブ効果
スノッブ効果の前提をもう一度整理していこう。
スノッブ効果は、あるモノの希少性が高くなることで、失いたくないという心理状態から、希少性の高いモノの価値を高く見積もってしまうことだ。
希少性を生み出す中でステータスがどんな働きを示すのかこれから解説していく。
この場合に最もオーソドックスな例がクレジットカードだ。
クレジットカードには、多くのランクが設定されている。
例えば、クレジットカードで有名なアメックスカードでは、主に4つのランクが用意されており、
- ノーマルカード
- ゴールドカード
- プラチナカード
- ブラックカード
年収やこれまでの利用実績などを考慮して、持つことができるカードのランクが変わってくる。
また、アメックスカードは多くのクレジットカードの中でもステータスカードと呼ばれるほど、選ばれた人でしか持つことができないカードだと言われている。
そのため、アメックスカードの中でもプラチナやブラックなどを持てる人というのは限られており、希少性は高いと考えられる。
その希少性が高いカードを持ちたいと考え、アメックスカードのユーザーになる方も多い。
こうなることで、アメックスカードのノーマルやゴールドを持つユーザーが増え、敷いてはプラチナやブラックを持つことができるユーザーも増やすことができる。
こうした戦略の節々にスノッブ効果が働いており、スノッブ効果が掛け算された結果、ブランドが確立されている。
スノッブ効果と他の心理効果を掛け合わせる方法
先ほどはスノッブ効果を活用した事例をそれぞれ解説してきたが、心理効果を掛け算していくことで相乗的に心理効果を増大させることができる。
この章では、スノッブ効果に関連のあるウェブレン効果とバンドワゴン効果の2つを掛け算して相乗効果を発揮する方法を解説していきたい。
ヴェブレン効果×スノッブ効果
この章では、ヴェブレン効果とスノッブ効果の掛け合わせについて解説していこう。
ヴェブレン効果とは『顕示効果』と呼ばれ、見せびらかしたい心理を利用した消費のことを指す。
ヴェブレン効果の顕示効果と希少性の高いものの需要を高めるスノッブ効果を掛け合わせると、高級品を好むユーザーに対して「欲しい」と思わせる商品やサービスを考えつくことができる。
例えば、高級ブランドの腕時計で、さらに限定販売していた場合にはヴェブレン効果とスノッブ効果が掛け合わさってものすごく需要が高まる。
バンドワゴン効果×スノッブ効果
この章では、バンドワゴン効果とスノッブ効果の掛け合わせについて解説していこう。
多くの人が支持しているモノ(人)や事柄に対して、より一層支持が集まってしまう心理効果のこと。
上記のバンドワゴン効果の説明を見ると、スノッブ効果とは真逆の心理効果に見える。
しかし、こういう場合はどうだろうか、『人気商品の限定販売』だ。
人気商品はバンドワゴン効果が働いているため、一定の需要は獲得できている。
また、販売個数や販売期間を限定することでスノッブ効果を働かせることができ、さらに需要を高めることができるというわけだ。
ヴェブレン効果×バンドワゴン効果×スノッブ効果
では、最後にこれまで掛け算した心理効果を全て掛け算したらどうなるだろうか。
まず考えたいのは、ヴェブレン効果だ。
ヴェブレン効果は、ちょっと価格を引き上げたくらいでは効果は薄い。
やはり高級ブランドとしてアピールする路線でコンセプトを作り、残りの心理効果を掛け算させることを考えるべきだ。
人気商品のブランドを使い、スピンオフさせる形でコンセプトを変更し、限定販売することで全ての心理効果を掛け算して、需要を増大させるというわけだ。
まとめ
スノッブ効果は様々な形で活用することができるのは、本記事で理解できたことだろう。
しかし、実際に活用方法を知っても、実際に活用することをしなければ本当に理解することはできない。
だからこそ、あなたはスノッブ効果を活用して、一般ユーザーに対して商品やサービスを販売することを1度は行ってみて欲しい。
もちろん簡単ではないが、実行することでより正確な理解へと近づくことだろう。
ここからは、スノッブ効果を実際に活用する方向けに、スノッブ効果が働く条件について解説していきます。
ここが最大のキモになるので、なるべく簡潔に分かりやすく説明していきますね。